行田市パートナーシップ宣誓制度が始まりました!】
2021年4月1日より、行田市でもパートナーシップ宣誓制度が施行されました。
「行田市パートナーシップ宣誓制度が始まります」(行田市HP)
https://www.city.gyoda.lg.jp/12/04/10/20210309sensei.html
「行田市パートナーシップ宣誓制度利用の手引き」(行田市HP)
https://www.city.gyoda.lg.jp/12/04/10/documents/tebiki.pdf
この制度は、現在の日本国憲法において婚姻が認められていない同性のカップルの方々に対して、自治体がパートナーであることを証明する制度です。
同性のカップルの方々は、憲法で婚姻が認められていない=法的に結婚ができないために、病院での付き添いが認められなかったり、アパートやマンションなどの契約が認められなかったり、異性のカップルであれば当たり前に認められることが、同性であるという理由だけで出来なくなってしまうという状況にあります。
こうした状況に対して、ずっと前から当事者の方々を中心に、法改正が求められ続けてきました。しかし、これまでの政権与党の中では同性婚や、あるいは選択的夫婦別姓制度などに関しては非常に後ろ向きな議論が続いていて、今でも状況は変わっていないように見えます。
こうした中で、国の法律が変わらないなら地方自治体の制度でなんとか出来ないか、という動きが起こり、2015年に渋谷区と世田谷区でこの制度が始まりました。
私も渋谷や世田谷のことがニュースになるのを聞きながら、こうした動きは素晴らしいことだと思いました。と同時に、しかしながら、都市部ではない地方の自治体においては、こうしたことに対する無理解や偏見は強く、行田市においても実現するまでは相当時間がかかりそうだと考えていました。
その後、やはり、行田市においてはなかなかこうした議論は起こりませんでした。行田市議会では公明党の議員さんが性的マイノリティの権利擁護(特に小中学校における理解促進)という趣旨で一般質問で取り上げてくれていましたが、パートナーシップ制度については議論に上がりませんでした。
私も2020年9月の一般質問で「行田市においても速やかにこうした制度をつくるべきだ」と提言しました。その当時の市の答弁ではまだ、今後の検討課題とする、というものに留まり、やはり行田市ではなかなか難しいのか、と正直思いました。
しかしその後、急激に状況が変わってきました。
というのも、近隣の自治体で、相次いでこの制度を導入するという動きが起こったのです。
行田市の隣の鴻巣市では2020年12月から制度がスタートし、同じくお隣の羽生市では2020年12月議会で制度創設の請願が全会一致で可決されました。そのほかにも埼玉県内の様々な自治体で、この制度を導入するという話が、本当にあちこちから聞こえてきました。
どうしてこうした状況になったのか私も大変興味を持って、それぞれの自治体の知り合いの議員さんたちに話を聞いていくと、県内の当事者団体の方々が大変一生懸命活動されていて、その方々の働きかけによってこういった状況が生まれている、ということを知りました。
そこで早速、SNSでその団体の方とコンタクトを取って、お話を聞いてみました。お話を聞いて、改めて、当事者の方々の思いや、具体的な生活上の困難について勉強させていただき、行田市でも1日でも早く制度の施行が必要だと実感しました。
当事者団体の方とコンタクトを取っていることや、賛同してくれる議員と一緒に行田市での制度化を具体的に検討していることなども含めて、行田市の担当課と話し合い(情報交換)も重ねました。有り難いことに、行田市の担当課では近隣自治体の動きもしっかりと把握し、行田市でも制度の創設を検討する必要があると認識してくれていました。
そして、2021年3月議会において、福島議員が一般質問でこの制度の導入について質問したところ、市長より、「4月1日より制度をスタートする」との答弁があり、その通り、4月1日から制度がスタートしました。
その後、担当課に聞いたところ、パートナーシップ宣誓制度導入を発表してからすでに色々と良いリアクションがあり、この制度ができたことを理由に行田市に転入したいという旨の連絡もあったそうです。これは本当に嬉しかったです。
制度は使われてなんぼです。より多くの方に使っていただけるように、広く周知する必要があります。
また、当事者団体の方々とも引き続き連絡を取らせていただいていて、より良い制度にしていくために、先進自治体の取り組みと比較してまだ足らない点などを教えていただいています。
またこの制度ができたからといって、法的な拘束力はなく、性的マイノリティの方々の困難が無くなるわけではありません。最終的には国の法改正がなければ多くの困難は解決しません。それでも、行田市のような一地方自治体でもこのように制度をスタートさせているというこの状況は、最終的なゴールに向けての小さな小さな一歩であると思います。また、こうしたことによって、性的マイノリティや、LGBTQ +についての理解や興味が増すということも重要なことだと思います。
こうした中で、先月、また一つ、大きな出来事がニュースになりました。
札幌地裁で同性婚を認めないことは違憲であるという、初めての判決が出た、というものです。
「同性婚を認めないのは違憲 札幌地裁が初の判断」(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/56424717
国の法改正が進まない中で、じゃあ地方自治体からなんとかしよう、ということで全国の自治体でパートナーシップ制度が拡大している中、いよいよ今度は国の法改正の議論になってくるのかな、と、そんなことを期待させるニュースでした。もちろん、現政権は「家族のあり方」について非常に保守的な観念に固執しているように見受けられるので、そう簡単に法律が変わることはなさそうですが、それでもこうした動きは不可逆のものになりつつあると思います。遅かれ早かれ、同性婚は法的に認められると私は確信しています。なぜなら世界はそうなっているし、日本だけがそうならないことのメリットは皆無だし、そうなるのが当たり前だと思う国民も若い世代を中心に着実に増加しているからです。
行田市の制度に戻りますが、始まったばかりのこの制度は、これから様々な点で改善や、拡充される必要があります。伸び代がたくさんある、という状態です。これからも先進自治体の取り組みを注目しながら、必要なところを着実に取り込んで、より良い制度として育てていけるように、働きかけていきたいと思います。
>>>>追記<<<<
WEBメディアKUMAGAYALIFEさんに行田市パートナーシップ制度について取材していただきました。こちらも是非ご覧ください。