【第12回埼玉県障害者アート企画展「LOOK ART ME!!」】

2020年12月9日 2023年1月17日

野本翔平

毎年、この展覧会のお知らせをしたい、と思って、しばらく放ったらかしにしていたSNSをおもむろに更新し始める、というのが、ルーティンになりつつあります。

やっぱり、それだけこの展覧会の印象が毎年強いから、これはなるべくお知らせしたい、と思い立つし、ここに集められた作品一つ一つからとても刺激を受けて、自分の中の、何か表現したい、ていう、きっと誰の中にも根源的にある欲望を、ふつふつと思い起こされるような感じがするから、そうなるのだと思います。

コロナ以降の2年間は、そういう欲望、何かを表現したい、という当たり前の、普通の気持ちだけど、なかなかそれを表に現すことが難しい時間がずうっと続いているように思います。

それは私たちの内面の話だから、気持ちの問題だから、社会の中でさほど問題視されないというか、後回しにされがちだけれども、やっぱりちゃんと思い留めておかなきゃいけないことだと思います。

搬入から昨日、今日と、会場にいて、展示された作品一つ一つをじっくり観たり、遠目に全体的に眺めたり、気心の知れたみんなと色々雑談をしたりしながら、今年はなんとなく、そんなことを思いました。

目よりも、心にグッと来たな、今年は。

なんか、そんな感じがしました。

心のままに、思いのままに、ありのままにさらけ出す、ということは、普通は私たちにはできないし、みんながみんなそんな思いのままに自由気ままに動き出したら今のこの社会は成り立たない、というか、今の社会ではそれを許容できない、私自身もきっとそうだと思います。

だから私たちは、この社会の中に少しだけ、時間や場所を区切って、そういうものを許容できる空間を作り出して、たまにそういう場所へ行って、誰かのありのままの心に触れて、本来私たちみんなが持っている普遍的な欲望や、ありのままの気持ち、剥き出しの感情、それはつまり本来の自分の心を、思い出しているんじゃないでしょうか。

コロナ以降、そういう場所や機会はめっきり減ってしまっています。オンラインに切り替わることで新たな空間が生まれていることも事実だけれども、経済的な面ではオルタナティブになり得ていても、精神の領域まではなかなか掬いきれていないように感じます。

私にとっては、そういう私自身の暮らしの文脈の中で、今回の展覧会は、私たちみんなが本来持っている心のあり様を、ゆっくりと、静かに、優しく、でも確実に、呼び覚ましてくれる場所だと感じました。それがなんだか心地よくて、これは自分にとっては、癒しの空間だなと、リラクゼーションであり、ヒーリングなんだなと思いました。

気の向くまま、タップの導くままに感想を書いてみて、改めて、私のこの２年間は、安心安全健康第一を最優先とする中で、心の方は棚上げして後回しにしてきていたのかな、と思いました。それはそうするしかなかったと思うし、それを後悔しているわけではなくて、これからはもう少し、私たち自身の心のあり様も気に掛ける暮らしを、していきたいなと思いました。

しかし、こういう感情って、日々のドタバタの中であっという間に忘れてしまうんですよね～。もう本当に日々、今は家事と子育てに支配されていて、本当に時間がない。それについても、また長々と書けそうです。

それでも本当に、一時でも、心に想いを馳せられて良かったです。そして久しぶりに文章も書けて良かった。自分にとって大切なことなのだと再認識しました。

そんな、展覧会です！私にとっては。

皆さんにとってはどんな展覧会になるでしょうか。

もしお時間あれば、ぜひ、観に来てみてください～👀🌟

私も、今日（10日）の10時から14時まで会場でスタッフをしているので、もし良ければぜひ会場でお会いしましょう～！

以下、工房集さんから転載させていただきます！

＼障害者アート企画展、設営完了！いよいよ明日から／

本展キュレーターの中津川浩章さんと埼玉県内の福祉施設スタッフが話し合いながら、作品を一つひとつ並べていきました。どの壁面も見ごたえ充分です！

ぜひ会場に足をお運びいただき、作品の勢いを直接感じていただけると嬉しいです。

会期は12日（日）までです。

第12回埼玉県障害者アート企画展「LOOK ART ME!!」